日本ブランドのマメ・クロゴウチが2021年秋冬コレクションを映像で発表した。夜、窓からの月明かりが室内に作る様々な影から着想を得た。夜が訪れる直前の夕日のオレンジと、影や月明かりを思わせるグレーを象徴的に使った。
服には直線状の影を表すストライプ柄が多用されている。ドレスやブラウスは、伝統的な「板締め絞り」で染色。直線のストライプに見えるが、線はにじんで揺らいでいる。室内に走る影が、ソファやベッドなどの上では線がゆがんでいる様子を表したのだという。プリーツが大胆にカーブを描くトップスやスカートもある。
特に目をひくのが、インクを落としたようなサイケデリックなドレスやトップスだ。デジタルプリントのようにも見えるが、京都の工場による「マーブルプリント」の職人技だという。
また、アトリエの庭で見たキンモクセイの小花をブラウスやドレスに落とし込み、日常の美をとり入れた。腰に巻くスカートバッグやトレッキングブーツなど、今季はアクティブな印象のスタイルも。デザイナーの黒河内真衣子は、コロナ下で「動きやすいスポーツテイストは今の自分の気分に近い。ただ、着心地が良くてもエレガントさや美しさは大事な要素。マメらしさから離れないように、凜(りん)とした美しさを意識した。服を着る機会は減っているかもしれないが、ベーシックなものだけでなくファッションを楽しんでほしい」と話した。(神宮桃子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル